第14条(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)関係

 

(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)

第14条 公開請求に係る公文書に個人および法人等のうち公開請求者以外の

 もの(以下この条、第19条および第20条において「第三者」という。)

 に関する情報が記録されているときは、実施機関は、公開決定等をするに当

 たって、当該情報に係る第三者に対し、公開請求に係る公文書の表示その他

 実施機関が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることがで

 きる。

2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、公開決定に先立ち、

 当該第三者に対し、公開請求に係る公文書の表示その他実施機関が定める事

 項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。

 ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

 一 第三者に関する情報が記録されている公文書を公開しようとする場合

  であって、当該情報が第7条第1号ロまたは同条第2号ただし書に規定す

  る情報に該当すると認められるとき。

 二 第三者に関する情報が記録されている公文書を第9条の規定により公

  開しようとするとき。

3 実施機関は、前二項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者

 が当該公文書の公開に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、

 公開決定をするときは、公開決定の日と公開を実施する日との間に少なくて

 も2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、公開決

 定後直ちに、当該意見書(第18条および第19条において「反対意見書」

 という。)を提出した第三者に対し、公開決定をした旨およびその理由なら

 びに公開を実施する日を書面により通知しなければならない。

 

【趣旨】

 本条は、公開請求に係る公文書に第三者に関する情報が記録されている場合における当

該第三者に対する意見書提出の機会の付与および当該第三者による争訟の機会の確保につ

いて定めたものである。

 

 

【解説】

1 第1項および第2項の規定は、第三者に公開についての同意権を付与するものではな

 い。したがって、実施機関は、第三者から反対意見書が提出された場合においても、そ

 の意見に拘束されるものではない。

2 第1項は、第三者に意見書を提出する機会を与えることによって、慎重かつ公正な公

 開決定等をする趣旨であるが、実施機関に対して意見聴取を義務付けるものではない(任

 意的意見聴取)。

3 第2項は、第三者に不利益を与えることとなっても、なお優越する利益を保護するた

 めに公開する場合であり、第三者に対する適正な行政手続を保障する観点から、実施機

関に対して意見聴取を義務付けるものである(必要的意見聴取)。

4 「当該第三者の所在が判明しない場合」とは、実施機関が合理的な努力を行ったにも

 かかわらず、当該第三者の所在を探知でさない場合をいい、この場合、公示送達は義務

 付けられていない。

5 「公開決定の日と公開を実施する日との間に少なくとも2週間を置がなければならな

 い」とは、反対意見書を提出した第三者が、公開決定の取消しを求める争訟を提起し、

 公開の執行停止の申立てを行う期間を考慮し、2週間以上置くこととしたものである。

6 実施機関は、反対意見書を提出した第三者に対して、その争訟の機会を失わせること

 がないよう、公開決定後「直ちに」通知しなければならない。

 

 

【運用】

1 本条の第三者には国および他の地方公共団体は含まれないが、任意的意見聴取は明文

 の規定がなくとも可能であるため、担当課(所)は、必要があると認めるときは、これ

 らに対して意見を照会するものとする。

2 担当課(所)は、第1項または第2項の規定により、第三者に意見書提出の機会を与

 えるときは、第三者意見照会書(施行規則様式第8号)により通知する。

3 担当課(所)は、第三者から反対意見書が提出された場合に公開決定をしたときは、

 当該第三者に第三者情報公開通知書(施行規則様式第9号)により通知する。